Down In Flames(以下DIF)は、最初GMTから出て、あとから改訂版みたいな形でDVGから出た、カードでする空戦ゲームです。
DVG版の方はレキシモン・ゲームズのブランドで日本語版も出ていて、容易に入手可能です。
従来、飛行機1機単位を扱う戦術級空戦ゲームは、移動ルールのめんどくささから敬遠される傾向にあったのですが、このゲームのシステムは画期的で、手札の応酬で互いの機動を切り替えし、最後に競り勝った方が敵に対して優位な相対位置を占められるというものです。
相手の行動を切り替えせるカードは決まっていて、手札にそれが無ければ敵に優位なポジションを占められてしまいます。
手札の上限枚数や、少なくなってきたときに補充できる量は、航空機の性能により決まり、当然高性能な航空機が多くの手札を持ち、補充能力にも優れます。
実際の空戦さながら、処理がスピーディに進むのがとっても快感です。
GMT版とDVG版、どっちが好き?と尋ねると、コアな空戦ゲームファンほどGMT版の方が良かったという傾向がある気がします。
私はといえば、好き嫌いでいえばGMT版だけど、ゲームとしての遊びやすさはDVG版が上のような気がしてて、どっちも甲乙つけがたいなあというのが正直なところ。
ただ、このゲームの唯一の不満点は、前にもこのゲームを買った時に記事にしましたが、シザースとかバーティカルロールという機動が、実際にどんな風なものなのかが見えないところにあると思っています。
これらの機動名称は単なるカードの強弱を示すじゃんけんのぐーちょきぱーみたいな記号でしかなく、目の前で何がおこっているのかプレイヤーに具体的に提示されません。
じゃんけんをするときに、鋏が石を切ろうとして刃こぼれする、みたいな光景を思い浮かべるかというとそうではないように、カードに示された機動の名称も特定のカードに対する優劣でしかありません。逆に言えば機動に関する知識が皆無でもプレイできるわけですけど。ハサミを使えなくてもチョキは出せるみたいに。
写真は上がGMT版、下がDVG版のそれぞれ左がバーティカルロール、右がシザースのカードです。
GMT版の方はまだ、イラストで機動を説明しようという気概が感じられますが、DVG版の方は、もうそんな努力を放棄しているのではとさえ思えてしまいます。
おそらくこのゲームをやってる最中に脳内で再現されている光景には、ねっからの空戦ゲーマーと、そうではない人では雲泥の差があると思われます。
丁度、陸物作戦級のゲームをしていて、戦闘後前進とかEZOCで移動を停止するとかいうときに、そこで実際に何が起こっているのかをうまくイメージできない私のように、DIFでのカードのやりとりが空戦機動の光景に結びついていないのではないかと。
まあ、そうでなければこのゲームを楽しめないのかというと、決してそんなわけではなく、このDIFシステムが傑作であることに、異論を挟む余地は全くありません。
特にDVG版の方は、日本語版になってる分、よりストレスフリーな環境でゲームできますから、このゲームを機会にもうすこしガチな空戦ゲームにも興味をもっていただける方が増えるといいなと思っています。