私が思いつく程度のことですから、
誰が思いついてもおかしくはないわけで(笑)。
空母戦というジャンルはそんなにカードゲームという様式と相性がいいものなのかと、今更ながらに思います。
カードゲームは、手札という限られた選択肢(たいていランダムで手元にやってくる)の中で、最良の手を選ぶ。
そしてその手札はふつう相手にはマスクされている。
なるほど、確かに空母戦の性質にそれは近いといえるかもしれない。
さて、カードゲームの様式に空母戦ゲームを落とし込むにあたり、なかなか踏ん切りがつかなかったのは被我の距離の概念をどう表すのかということでした。
敵を索敵によって発見したとき、それを攻撃できるか否かは、一義的には母艦から目標艦隊までの距離にかかっています。
双方が動いているので、母艦と目標との距離は相対的な指標といえます。そもそも今まで見えてなかったわけですから、相手をたまたま見つけたときに、どれくらい近いか(遠いか)はランダムに決まってもそれほど不自然ではありません。
ただ、そうするとラバウルやヘンダーソンといった陸上基地の存在をどう扱うのか。
陸上基地はいわば固定座標です。 固定座標である基地と相対的な位置関係でのみ表される艦隊との同居がどうもしっくりこない。
カードゲームだからといって、基地航空兵力をおろそかにしていいわけはありません。
空母戦における陸上基地の重要性は、私の下手な講釈より、
こちらを是非ごらんいただきたいところ。
モダン・ネイバル・バトルのようにイベントカード的処理もあり得るんですけど、ラバウル、ポートモレスビィ、エスピリッツサントのような周辺支援基地はともかく、ミッドウエイやヘンダーソンのような前線基地をそのように表すのはなんか違う気がしました。
さて、Carrier Duel 1942の前身のゲームでは、艦隊同士の距離や、艦隊と基地との距離を表すのに、Up Frontのような、相対距離マーカーを導入していました。
で、さらにその
前身のゲームでは、地図版を併用していました。 この距離問題への答えとしてです。
しかしいずれも「イケてない感」がつきまといました。スマートじゃないのです。
カードみたいな抽象的な手法に依るのであれば、もっと割り切った作りでなければ、めんどくさいだけで楽しいゲームにはならない。
オーソドックスなヘクスゲームの場合、「めんどくさいことが楽しい」場合も多々あるのですが、少なくともカードという手法に依る以上は、それではダメなわけです。
カードゲームのくせにめんどくさいのはダメ、絶対。
いろいろ悩んだあげく、結局時間軸さえあれば、距離なんて無くしてしまえるのではないかと思い至りました。
ミッドウエイやヘンダーソンといった基地の鼻先に揚陸したり、これを砲撃したりできるのは、ゲーム開始後○○ターン後でかつ、それを可能にするイベントカードが手札にあったときに限るとしてしまったのです。
空母戦ゲームにおいて、とくに日本軍の敵基地占拠が焦点になるような海戦(珊瑚海・ミッドウエイ・第二次ソロモンなど)では、多少の紆余曲折はあっても、日本軍は目標を目指す動き方をします。
そうでないと目的を達成できませんので。
だとするなら、時間軸の中だけで処理してしまえばいい。
ある程度時間が経過して、タイミングよく揚陸や砲撃を実行できるイベントカードが手札にあれば実行できる。
防御側は予め迎撃のための海上封鎖部隊(珊瑚海海戦におけるTF44)を派遣しておくか、迎撃イベントカードが手元にあったら阻止戦力を展開できる。
これらカードは時期が来たら手札に加えておかねばなりませんが、当然手札を圧迫するので、ほかの作戦能力を制限することになる。 と、いう寸法です。
索敵したとき敵が攻撃圏内に居るかいないかは、結局その索敵が成功だったか失敗だったかに収斂されるわけですし、逆に索敵失敗の理由は距離のファクターだけではないわけで。
まあ思いつきがちゃんと機能するかどうかは、テスト次第ですけどね。