デジタルデバイドネタでもうひとつ。かなり以前に読んだ本なのですが、非常に興味深い論が展開されていました。
以下、本文の1部要約です。
たとえば家庭の主婦は炊飯機ができたおかげで、炊事の時間が短縮され、家事労働からかなり解放された。
では同じ理屈で会社の仕事にパソコンが導入されると、仕事が効率化し、残業が減り、生活に余裕ができるであろうか?否である。何故か。
人間は普通1日3食しか食べない。炊飯器が10分の1の時間で飯を炊けるからといって、人は1日10食ご飯を食べるようにはならない。仕事の総量は決まっているので、かかる時間の短縮はそのまま余裕となり得る。
しかし、仕事は違う。パソコンによって生まれた余裕時間は、別の仕事をするために充当されるのである。今まで1日かかっていた仕事が半日で済むようになれば、半日休めるわけではなく、こなす仕事量が2倍になるだけ(もしくは人が半分に減らされるか)である。
あるいは、パソコンの恩恵は更なる過重労働を人に強いることもある。
パソコンが無い時は地球の裏側の株式市場動向を知り得るために物理的なタイムラグがあった。その時間はたとえば証券マンにとって余裕となり得た。
しかし現在全世界がインターネットで繋がってしまったおかげで、地球の裏側の株式市場をリアルタイムで知ることが出来るようになった。そのため証券マンは睡眠時間が無くなってしまった。寝ている間に大損する可能性があるからである。知らなかったでは済まされない。だってパソコンのおかげで知り得た筈だから。
これらのことからパソコンが我々の仕事を楽にするというのは、幻想なのである。
これを読んだとき、なるほどなあと思いました。
うちの職場では一人一台パソコン環境が実現していますが、昔と比べて仕事が楽になったような気はしませんねえ。反面人は少なくなったような気がします。
私って今一応○○長ですけど、部下いませんし。結局この歳にして一番下っ端っす。
唯一の部下はデスクに座ってるパソコン?いやこいつが私を使っているのではないでしょうか?あ、仕事のメールがやって来た。今昼休みだぜ、全く。