洋もの第3弾は、VGのキャリアー。一人用の空母戦という画期的なゲームです。季刊タクティクス誌の4~6号にかけて和訳ルールが掲載されました。ソリティアゲームといえば、Ambush!が有名ですけど、ああいったパラグラフ形式のゲームではありません。どっちかといえばAHのパットンズベストに近いです。
プレイヤーは42年当時の米機動部隊指揮官となって、ソロモン方面でにっくき大日本帝国海軍の機動部隊を迎撃します。
比較的自由に自軍戦力を編成できるランダムシナリオと、史実シナリオがあります。ただし史実シナリオを選んでも、米軍には史実どおりの戦力が与えられますが、日本軍が史実通りの戦力で現れるかは不明です。珊瑚海海戦でも赤城や加賀が出てくることはあり得ます。ただし、日本側は空母、水上艦艇、輸送船の各々に戦力レベルが決まっていて、登場した艦艇が一定戦力以上に達したら、それ以上は基本的には登場しません(でもサイの目によっては、サプライズもある)。また、日本軍は退却レベルも決まっていて、一定の損害を被ると、退却行動をとります。
1ターンは80分、1へクスは33マイルを表します。ルールの大半が日本軍の制御の仕方と戦場の霧の再現に裂かれていて、例えば日本軍の航空戦力の算定はなかなか難解ですが、ルールを読みこなす苦労に値するスリルとサスペンスを得ることができます。索敵が進むにつれて、敵戦力が明らかになっていくのですが、こっちが攻撃体制を整えるのが先か、日本軍艦載機による空襲が先か、ドキドキな展開で何度やっても飽きません。空母戦は戦力がランダムに決まった方がおもしろいかな?って思わせてくれる一品です。
できれば日本軍を指揮してみたい気がするのですが、それがかなわないことがたまに傷です。そのかわり嵐に巻き込まれてタイムスリップしてきたCVN-69ニミッツで、IJNを迎え撃つシナリオがついてます。
1ゲームにやはり半日以上必要ですが、日本機動部隊の次に通算プレイ回数の多い空母戦ゲームです。(一人でできるんで当たり前か。)日本機動部隊は必ず相手が要るんで、最近はやってませんから、そのうち逆転するでしょう。いつかはキャリアーのシステムを応用して、日本機動部隊のソロプレイルールを作ってみたいです。