上手く説明できない

　「○○ちゃん、なんでピーマン残すの？」
　「だって嫌いなんだもん。」
　「嫌ってないで栄養あるんだから食べなさい。」
　「いやだぁ（泣）。」
　よくある会話、よくある話ですが、よく考えると両者の会話は噛み合ってない。
　お母さんだか先生だかは、何故残すのか？と聞いておきながら、その理由の如何に関わりなく、栄養があるという別の価値観を持ち出してピーマンを食べろと強制する。
　○○ちゃんは大人ってなんて理不尽なんだと思ったことでしょう。

　私は今流行（？）の萌えミリが嫌いです。以前どっかのブログで、「萌え」は否定しないけど「萌え」＋「ミリ」は駄目やろって書いてあるのを見たとき、そーだそーだと思いました。ただ、何故嫌いなの？と正面切って聞かれると、うまく説明できません。
　何となく不敬な気がするというのが気持ちとしては一番近いのですが、では戦車や軍艦や軍用機といった人殺し兵器を、格好いいな、プラモ欲しいなって思う気持ちと、どれほどの違いがあるのかと問い正されると言葉に詰まる。ましてや「萌えミリ」は新しいウォーゲームユーザーを開拓するかもしれないのだから、嫌ってないであなたも一緒に萌えなさいとか言われると、泣きたくなってしまいます。そんなこと私に言う奴は今のところ居ませんが。

　コンシュマーゲームの戦国なんたらに出てくる、やけにイケメンで格好いい石田三成とかも、どうかって思う。私がNATO兵科マークを嫌いっていうのには異論がある人の中にも、これには賛同してくれる人は多いのでは。
　けど、イケメン石田三成の何が悪いのかって聞かれると、やはり理路整然と話できない。
　早い話、好き嫌いに理由はないってことに尽きるのだろうと。

　でも好き嫌いを主張するのは良いとしても、自分の嫌いなことを好きな人を否定したり見下したりしてはいけないんだと思います。イケメン石田や萌えミリを嫌ってもいいけど、それらへの興味からSLGユーザーになる人がもし居たとしたら、その人を（それを理由に）毛嫌いしたり、どうせロクでもない奴だと決め込んだりするのは間違いだと思う。
　ただ、その人とゲームの嗜好が合うかどうか、同じ卓を囲めるかどうかはまた別の話。
一緒に遊べるかもしれないし、そうでないかもしれない。ゲームを始めた動機と、一緒に遊べる相手かどうかっていうのは、次元が違うと思う。

　それから、ウォーゲームという形を存続させるために、全てを萌えミリゲーやイケメンキャラゲー寄りに振られてしまうのも困る。それは○○ちゃんが嫌いなピーマン料理を、毎日有無を言わさず食卓に出されて無理矢理口につっこむような拷問だと思う。
　あのブームの終焉時に、RPGの方が売れるからとHJ社がすべてそっちに舵切りしちゃった悪夢の再来です。RPG好きな人を否定しないけど、私自身はアレやらないし。なんであっちの方が売れるのか理解できなかったし、未だに疑問に思ってる。
　そういうことを警戒して、先に予防線を張りたくなる気持ちは私にも働いているかもしれません。自身を絶滅危惧種と自覚するからこその防衛線なんでしょうか。

　で、結論。価値観が違う人と、うまく共存できるのが理想。互いにおたがいの価値観を同調できなくても否定しないのが大人の対応です。
でもそれが誰にも容易くできるのであれば、世の中から戦争なんて無くなって、結局ウォーゲームもなくなっちゃうかも（笑）