フラットトップやミッドウエイといった従来のブラインドサーチ型の空母戦ゲームは、シークエンスは両軍平等。時間、手順、作業を細分化することで、細かいシチュエーションを積み上げる形をとっています。
両軍が、ブラインドの状態で積み上げた形を比べあった時、何かが起こるというというのが、空母戦ゲームの基本スタイルでした。
で、昨日の「たかさわゲーム放送局」で、チット引きシステムって、偶然性を無理やりつくり出しているけど、シミュレーション的見せ方として、細かいことの積み上げの結果、偶然が産み出されるみたいなゲームに萌える(こともある)という話がでました。
この話題になったとき、今までの空母戦ゲームって、まさにそういう原因積上型のゲームだったんじゃないかなと思いました。
ところが、帝海はチットアクティベーションシステムによって、両軍の積み上げの違いを強引に作り出す手法をとっています。
攻撃力の差異が生まれる原因を、プレイヤーの判断の積み上げが作り上げるのが従来型のゲーム。
帝海はチット引きによって結果が先に作り出されます。
どっちが良いかは好みの問題もあります。
正直言って、私は前者の方がシミュレーションとしては正しい気もしています。
では、なぜあえて逆を走ったのか。
それは、ホントに正を目指すのなら、膨大な作業の積み上げを覚悟する必要があり、シチュエーションを楽しむ余裕をなくしてしまったり、起こってしまった事態への対処をどうするか?という部分を楽しむためには、ものすごいエネルギーが必要に思えたからです。
ちまちまエレベーターを上げ下げして艦載機の発進準備を整えたり、艦隊から放射線上に伸びる索敵計画を練ってみたりといった部分に、空母戦の魅力があると考える人は、おそらくたくさんいらっしゃると思います。
私自身実は多分にそう思ってる。
でも、そのようなゲームを好きな人を身近でもう一人見つけるのは、結構困難なのではと思います。
また、好きであってもそれを広げて「さあやろう。」っていうエネルギーを常に持ち続けるのは難しい。
実は原因積上型のゲームは、空母戦ではフラットトップが到達点で、あれを越えるものは今後もないのではって気がしています。
そりゃあトンデモ戦法が色々通用するゲームでもありますが、それが嫌なら色々紳士協定を結んでしまえばいい。
艦船や航空機のレーティングに不満があれば、システムはそのまま。データだけ現在のものにアップデートするだけでいい。
でも、フラットトップを楽しむためには、時間的にも物理的にも相当の覚悟がいるわけです。
そして何より、両軍プレイヤーがともにルールに精通している必要がある。
帝海はルール量もそれなりで、決して初心者向けとは言いにくい出来ですが、片一方がルールを知っていれば、もう一人は初心者でも、エネルギーちょい少なめな人でも、空母戦のシチュエーションを味わえるものを目指しています。