自作の空母戦ゲームを作るべく、寄り道しつつぼちぼちやってます。
by takoba39714 カテゴリ
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この本は、日頃お世話になっているワニミさんから「よく勉強しておくように」とわたされたものです。嘘ですよ。ご厚意でいただいた本です。 この本の内容は早い話が、「経験に裏打ちされた直感は、当たっていることが多いので、情報化社会の昨今では時間を無駄にしてはいけないから、直感に基づいて迅速に行動にうつすようにし、あとは走りながら考えましょう。」と、いうことです。 この理論は、実生活で当てはまることが多いと感じるのは確かです。 特に組織が大きくなると、やたらと事前の検討とか幅広な検討とかを求められることが多く、そんなことに時間を費やす間に最適時期を逸してしまうことってあるよねって思うことたくさんあります。 特に、うちの会社の場合、時間が大切なのはそれなりにわかっているのに、事前の検討や幅広な検討も大事というスタンスなので、結局兵隊が寝る間が無くなるという事態が往々にして発生します。 ただ、この機動理論は「経験に裏打ちされた直感」という、掴み所のないものを最終的に「よりしろ」にしている点で、まだまだ今の日本社会では広まり難いとも思います。 経験量を定量化するのは思いの外困難です。情報処理量とか、消化量に個人差があって、同じことを同じ時間経験しても、正しい判断にむすびつく直感を養えたかどうかは、よくわからないと思うのです。例えば経験時間30時間の人の直感と、経験時間100時間の人の直感が相反したとき、単純に100時間の方を採用するべきなのでしょうか。なんか違う気がしますよね。 そもそも、ひとりの人間に求められるタスクが多様化する傾向にあり、ひとつの事について直感を裏打ち出来る経験を積むこと自体が難しくなっているとも思えます。 そういった環境の中で、直感を養うにはどうすればいいのかという点まで掘り下げてあれば、ビジネス書としての価値がもっとあがったのではないかと思います。本文中の「イメージのビジュアル化=頭の中でできるだけ精密に今後の展開をシミュレートする」が、これに当たるのかもしれませんが、これについてもさわりのところしか言及されていないのがちょっと残念。 ともあれ文章量もお手軽で、読みやすく、軍事的思想や、軍隊のアイディンティティの移り変わりがわかりやすく解説されている点で、ゲーマーは読んで損はないと思います。 それから、この本のレビューについては、もりつちさんが以前にこちらでされているので、ご参照いただければと思います。私の駄文より簡潔で面白いです。
by takoba39714
| 2007-03-15 23:01
| 最近読んだ本
|
Comments(4)
Commented
by
ワニミ
at 2007-03-16 01:18
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レヴュー、お疲れ様です、有り難う御座います。
・本書で紹介のOODAループ(やボイド・サイクル)は、web内:日本語での検索回答が、昨年の11月時点には数える程度だったモノが今では(本書の紹介も含めて)数が増えていますネ。 ・今から15年以上前にOCSのモデルのヒントとなった考え方らしいです。 ・「古い様で新しい、新しい様で古いモデル」ナンですネ。 ・”これ”は、ゲームデザインのヒントには役立ちましたでしょうか?
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興味深く拝見させて頂きました。
日本社会では広まり難いのではないか、という点、同感ですね。 ウチの場合、直感的な決断の場面がないわけではないのですが、それが 「本当に直感に基づいた正しい決断なのか」 あるいは 「単に考えるのが面倒だから適当に決定したいい加減なものなのか」 がごちゃ混ぜになっていて、多くの場合は後者であるというのが実情です。 日本に限らないのですが、OODAループ的な考え方をビジネス界に適用するためには、個々人の直観力を磨くと同時に、個々人が短時間で正しい決断を下すことができるような「仕組み」作りが大事なのではないかな、と思ったりしています。 例えば、 ・IT機材を活用した迅速な情報共有 ・暗黙知を共有できるような仕組みづくり ・経験値のデータベース化 などですね。 もちろん「個人の切磋琢磨」が一番重要なことには変わりはないのですが。
Commented
by
takoba39714 at 2007-03-16 23:30
ワニミさま、面白い本をありがとうございました。直接的にゲームデザインに活きたかどうかは判りませんが、色々考えさせられる内容だったので、間接的には効き目があったかもしれません。
OCSがこの理論をどのようにヒントにしているのかは、興味深いですね。
Commented
by
takoba39714 at 2007-03-16 23:35
もりつちさま。同感です。まず個人の切磋琢磨の動機付けができる仕組みが必要でしょうね。給料の高低ももちろんですけど、モチベーションの維持にはその他の工夫も要りそうです。
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